胃がんの食事、もう迷わない|食べていいもの・控えるもの一覧ガイド
胃がんと診断されると、「何を食べればいいの?」「今まで通りの食事はできるの?」と不安になる方は少なくありません。胃は消化と栄養吸収に関わる臓器のため、がんや治療の影響で食欲低下や胃もたれ、吐き気が起こりやすくなります。その結果、体力が落ちてしまうこともあります。
ただ、食事は「無理に頑張るもの」ではなく、今の体に合わせて整えていくものです。少量ずつ分けて食べる、やわらかく調理する、胃にやさしい食品を選ぶなど、工夫次第で食べやすさは変わります。
本記事の執筆者は、大学病院で看護師としてがん患者さんのケアに携わってきた医療専門ライターです。診断直後の患者さんやご家族が抱える「何から始めればいいのかわからない」という不安に、これまで寄り添ってきました。
この記事では、胃がんの方が毎日の食事で迷いにくくなるように、食べていいもの・控えたいものの一覧、胃にやさしい食べ方のコツをわかりやすくまとめました。無理をせず、今日の一食を少しラクにするヒントとしてお役立てください。
目次
胃がんと食事の基本

胃がんと食事の基本
胃がんでは、胃の働きや治療の影響で、食欲が落ちる・少量で苦しくなる・消化しにくくなるといった変化が起こりやすくなります。「食べられなくなるのでは」と不安を感じる方も多いでしょう。ただ、食事は無理に頑張るものではなく、今の体に合わせて整えていくものです。基本を知っておくだけでも、毎日の食事は少しラクになります。
ここでは、胃がんの方が食事を考えるうえで知っておきたい基本を、次の3つのポイントに分けてご紹介します。
- 胃の働きと食事の関係
- 治療中・手術後に起こりやすい体の変化
- 食事が体力・回復に与える影響と水分補給の考え方
順に見ていきましょう。
胃の働きと食事の関係
胃は、食べ物を一時的にためて消化液と混ぜ、少しずつ腸へ送り出す働きをしています。ここでは、胃がどのように働き、なぜ食事が大切なのかを整理します。
【胃の働き】
1.食べ物を消化し、腸へ送り出す働き
・胃では、食べ物が胃液と混ざり合い、やわらかい状態に分解される。その後、少しずつ小腸へ送られ、栄養が吸収されやすくなる。
・胃がんや手術の影響で胃の容量が小さくなったり、動きが弱くなったりすると、少量でも苦しさや胃もたれを感じやすくなり、食事量が減ってしまうことがある。
2.食事量を調整する働き
・胃には、食べた量を感じ取り「満腹感」を伝える役割も。
・胃の切除や治療の影響でこの調整機能が変化すると、急にお腹が苦しくなったり、食後に不調が出やすくなることがある。
【胃がん患者さんにとって食事が大切な理由】
・胃の働きが変わり、今まで通りの食事が負担になりやすい
・食事量の低下が体力や回復力の低下につながりやすい
・食べ方を工夫することで、不調を減らしながら栄養を補える
・無理なく食べることが、治療を続ける力や生活の質を支える
胃がんの治療中・治療後は、「たくさん食べること」よりも、胃に負担をかけずに食べ続けることが大切です。体調に合わせて少量ずつ、回数を分けて食べることで、体を支える食事につながります。
治療中・手術後に起こりやすい体の変化
胃がんの治療中や手術後は、胃の働きが変わることで体調にさまざまな変化が起こりやすくなります。これらは多くの方に見られる、自然な経過です。
1.食事量が減りやすくなる
胃の一部または全部を切除すると、一度に食べられる量が少なくなります。以前と同じ量を食べると苦しさを感じやすく、体重が減ることもあります。
2.食後の不調が出やすくなる
胃の働きの変化により、食後に動悸・めまい・冷や汗・眠気などのダンピング症候群や、胃もたれ・吐き気が起こることがあります。早食いや甘いものがきっかけになる場合もあります。
3.栄養が不足しやすくなる
食事量の減少や消化吸収の変化により、エネルギーやたんぱく質などが不足しやすく、疲れやすさを感じることがあります。
4.体調に波が出やすくなる
回復の過程では、食べられる日と食べられない日がはっきり分かれることもあります。
こうした変化があるため、治療中・手術後の食事では量よりも食べ方や選び方を重視することが大切です。無理をせず、体調に合わせて調整していきましょう。
食事が体力・回復に与える影響と不足しやすい栄養、摂るべき食品
胃がんの治療中や手術後は、胃の働きが変化することで食事量が減ったり、消化・吸収がうまくいかなくなることがあります。そのため、体力が落ちやすく、回復に時間がかかることもあります。さらに、必要な栄養素が十分にとれず、不足しやすくなることもあります。食事は、体重や体力を維持し、日常生活や治療を支える大切な役割があります。
不足しやすく、特に意識したい栄養と食品例
・エネルギー
ごはん、パン、パスタ、芋類、オリーブオイルなど、体を動かす力のもとになる食品
・たんぱく質
鶏肉、魚、大豆製品、卵、乳製品など、筋肉や体の修復、免疫の維持に必要な食品
・鉄分
赤身肉、レバー、ほうれん草、ひじきなど、貧血予防に役立つ食品
・亜鉛
牡蠣、肉類、魚、ナッツ類など、免疫機能の維持や味覚のサポートに役立つ食品
・ビタミンB12
魚、肉、卵、乳製品など、造血や神経の健康維持に必要な食品
・水分
水、麦茶、スープ、ゼリー飲料など。脱水予防や便通のサポートに役立ちます。食事と分けて少しずつ摂ることが基本です
少量でも回数を分けて食べることで体力維持につながります。無理のない範囲で、続けられる形で栄養と水分を補うことが回復を支えるポイントです。
胃がんでは「食べ方」が最優先|不調を減らす基本ルール

胃がんでは「食べ方」が最優先|不調を減らす基本ルール
胃がんになると、胃の働きや治療の影響で、これまでのように食べられなかったり、消化や吸収がうまくいかないことがあります。「何を食べたらいいんだろう」「ちゃんと栄養は足りているのかな」と、不安に感じることもあるかもしれません。
胃がんの治療後は、食事を一気に元に戻すのではなく、体の回復に合わせて少しずつ慣らしていくことが基本です。最初はやわらかく消化しやすい食事から始め、体調を見ながら量や種類を増やしていきます。回復のペースには個人差があるため、「段階的に広げていく」ことを意識することが大切です。
ここでは、無理せず食事を続けながら、少しの工夫で体に必要な栄養を補えるよう、次のポイントに沿ってご紹介します。
- 少量・回数を分けて、よく噛む食べ方のポイント
- 胃にやさしくする調理の工夫(蒸す・煮る・やわらかく)
ひとつずつ見ていきましょう。
少量・回数分け・よく噛む食べ方のポイント
胃がんの手術後は、胃の働きや形が変わるため、一度に多く食べると消化が追いつかず、体に負担がかかることがあります。このときに起こりやすいのが次のような症状です。
- ダンピング症候群:食べたものが胃から小腸へ急に流れ込み、腹痛・下痢・めまい・動悸などが出る
- 低血糖:食後に血糖値が急上昇したあと急降下し、ふらつきや冷や汗が出ることがある
これらを防ぎ、体力を維持するために大切なのが、食べ方の工夫です。
ポイントは3つです。
1.少量ずつ食べる:一度にたくさん食べず、体に負担をかけない
2.回数を分ける:1日3回より少しずつ6回程度に分けると消化しやすい
3.よく噛む:消化を助け、満腹感も得やすくなる
また、水分は食事と分けて少しずつ摂ると、胃の負担を減らせます。無理せず続けられる形で食事を工夫することが、回復を支え、体力を保つポイントになります。
胃にやさしくする調理の工夫(蒸す・煮る・やわらかく)
胃に負担をかけずに栄養をとるためには、食材の調理法も工夫が大切です。胃の手術後は消化がスムーズでないこともあるため、次のポイントを意識すると食べやすくなります。
・蒸す・煮る:食材を柔らかくし、水分を含ませることで消化しやすくなる
・やわらかく調理:肉や魚は煮る・ほぐす、野菜は柔らかく煮る・すりつぶす
・脂や香辛料は控えめに:消化に負担をかける油や刺激物は少なめに
・一口サイズに切る:よく噛むことができ、消化の助けになる
これらの工夫は、少量・回数分け・よく噛む食べ方と組み合わせると、さらに胃にやさしく、体力維持や回復をサポートできます。
積極的に取った方が良いもの|胃にやさしい食品の選び方

積極的に取った方が良いもの|胃にやさしい食品の選び方
胃がんになると、胃の働きや治療の影響で食欲が落ちたり、消化がしにくくなることがあります。それでも、体力や免疫力を支えるために、できる範囲で栄養をしっかり摂ることはとても大切です。
ここでは、胃がん患者さんが特に意識して摂りたい食品の種類を整理します。
- 消化にやさしいタンパク質(白身魚・鶏ささみ・卵・豆腐など)
- 胃に負担をかけにくい野菜・果物(大根・りんごなど)
- エネルギーを補いやすい主食と脂質の選び方
- 積極的に取りたい不足しやすい栄養素
- 胃がん患者さん向け|積極的に取りたい食品まとめ
一つずつ詳しく見ていきましょう。
消化にやさしいタンパク質(白身魚・鶏ささみ・卵・豆腐など)
胃がんの治療中や手術後は、胃の消化機能や栄養吸収が落ちやすく、体力や治療への耐性にも影響します。タンパク質は体の材料であり、体力を支え、免疫を保つために欠かせません。
- 消化にやさしい食品
・鶏むね肉(皮なし)・白身魚:脂肪が少なく、消化しやすい
・卵:栄養価が高く、消化も良い
・豆腐・大豆製品:植物性タンパク質でお腹にやさしい
・低脂肪乳製品(ヨーグルトなど):タンパク質と水分を同時に摂れる
- タンパク質が必要な理由
・筋肉や免疫の材料になる
・体力を維持し、治療や回復を支える
・治療中の栄養不足を防ぐ
胃に負担をかけにくい野菜・果物(大根・りんごなど)
胃がんの治療中や手術後は、消化機能が低下し、硬いものや繊維の多い食材が負担になりやすい状態です。野菜や果物は、胃にやさしく食べられる形で取り入れることが大切です。
野菜・果物の役割
・ビタミン・ミネラルを補い、体調管理を助ける
・食欲を支え、食事を進めやすくする
・便通の維持に役立つ
胃にやさしい野菜の例
ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、人参、かぼちゃ(皮なし)、キャベツ、白菜、大根、かぶ、なす、カリフラワー、玉ねぎ
※細かく切る・やわらかく煮る調理がおすすめ
食べやすい果物の例
りんご(すりおろし・加熱)、桃、洋なし、バナナ、熟した柿、コンポート、缶詰フルーツ
エネルギーを補いやすい主食と脂質の選び方
胃がんの治療中や手術後は、食事量が減少し、十分なエネルギーを摂取しにくくなることがあります。エネルギーは、生命維持や日常生活を行うために必要な栄養素です。主食と脂質は、エネルギー源となる食品群です。
主食(穀類)の例
米飯、粥、うどん、そうめん、マカロニ、食パンなどの穀類は、主なエネルギー源となります。消化しやすい形に調理したものが、胃の手術後に選ばれることがあります。
脂質の例
バター、マーガリン、マヨネーズなどの油脂類は、少量で多くのエネルギーを含む食品です。乳化された油脂は、料理に使われることがあります。
胃がん患者さん向け|積極的に取りたい食品まとめ
無理なく栄養を補うためには、不足しやすい栄養素を意識しながら、胃にやさしい食品を選ぶことが大切です。
| 不足しやすい栄養 | 食品カテゴリ | 具体例 | 体への役割・ポイント |
| エネルギー | 主食・脂質 | ごはん、粥、うどん、食パン、マカロニ、じゃがいも、バター、マーガリン、植物油 | 食事量が少なくてもエネルギーを補いやすく、体力・体重維持に役立つ |
| たんぱく質 | 消化にやさしいタンパク質 | 鶏むね肉(皮なし)、白身魚、卵、豆腐、はんぺん、ヨーグルト | 筋肉や体の修復、免疫機能の維持に必要。やわらかく調理すると胃にやさしい |
| ビタミン・ミネラル | 野菜・果物 | 大根、かぶ、にんじん、かぼちゃ(皮なし)、白菜、キャベツ(加熱)、ほうれん草、りんご、バナナ、桃、洋なし | 体の調子を整える。加熱や刻み調理で消化しやすくなる |
| 鉄 | 魚・肉・野菜 | 赤身魚、赤身肉、ほうれん草、ひじき | 貧血予防に必要。食事量が少ないと不足しやすい |
| 亜鉛 | 魚・肉・大豆製品 | 魚、肉、大豆製品、卵 | 免疫機能や味覚の維持に関わる |
| ビタミンB12 | 動物性食品 | 魚、肉、卵、乳製品 | 造血や神経の働きを支える。胃の手術後は不足しやすい |
| 水分 | 飲み物・汁物 | 水、麦茶、スープ、みそ汁、ゼリー飲料 | 脱水予防・便通サポートに重要。少量ずつこまめに摂取する |
控えたほうがよいもの|胃に負担がかかりやすい食品

控えたほうがよいもの|胃に負担がかかりやすい食品
胃がんの治療中や手術後は、胃の働きが弱くなり、刺激や負担の強い食品で不調が出やすくなることがあります。胃の不快感や消化不良を防ぎ、体力の低下をできるだけ抑えるためには、控えたほうがよい食品を知っておくことも大切です。
ここでは、胃がん患者さんが注意したい食品の種類を整理します。
- 脂っこい料理・揚げ物・脂身の多い肉(唐揚げ・焼肉など)
- 刺激物・香辛料・アルコール(唐辛子・お酒など)
- 加工食品・塩分が多い食品(ハム・インスタント食品など)
- 胃がん患者さん向け|控えたい食品まとめ
一つずつ、なぜ控えたほうがよいのかを見ていきましょう。
脂っこい料理・揚げ物・脂身の多い肉(唐揚げ・焼肉など)
胃がんの治療中や治療後は、脂肪の多い食品は胃に負担をかけやすいとされています。そのため、脂っこい料理や脂身の多い肉は控えめにすることが勧められています。
控えたい食品の例
・脂身の多い肉:牛バラ肉、豚バラ肉、霜降り肉、鶏皮
・揚げ物:とんかつ、唐揚げ、フライ、天ぷら
・油を多く使った料理:油の多い炒め物、焼肉
控える理由とポイント
・胃の消化機能低下により、胃もたれや下痢などが起こりやすくなる
・食事量の低下や体力低下につながることがある
・脂身の少ない肉を選び、煮る・蒸す・ゆでる調理法が基本
刺激物・香辛料・アルコール(唐辛子・お酒など)
胃がんの治療中や治療後は、胃の粘膜が敏感になりやすく、刺激の強い食品やアルコールは胃の不快感を引き起こしやすいとされています。そのため、刺激物やお酒は控えることが勧められています。
控えたい食品の例
・香辛料・刺激物:唐辛子、こしょう、わさび、からし、にんにく、カレー粉
・刺激の強い調味料:酢、香味野菜を多く使った料理
・アルコール類:ビール、日本酒、焼酎、ワインなど
控える理由とポイント
・刺激により胃粘膜が傷つきやすく、痛みや不快感が出やすい
・胃炎や食欲低下の原因になることがある
・治療中・治療後は、薄味で刺激の少ない食事が基本
加工食品・塩分が多い食品(ハム・インスタント食品など)
胃がんの治療中や治療後は、胃の粘膜が弱くなりやすく、塩分の多い食品や加工食品は胃への刺激や負担になりやすいとされています。そのため、胃の回復を妨げる可能性があり、できるだけ控えることが大切です。
控えたい食品の例
・加工食品:ハム、ソーセージ、ベーコン、インスタント食品、レトルト食品
・塩分の多い食品:漬物、塩辛、干物、佃煮、ラーメンのスープ
・保存食品:缶詰、加工肉製品、味の濃い惣菜
控える理由とポイント
・塩分のとり過ぎは胃粘膜を刺激し、胃の負担になる
・加工食品に多い塩分や保存料は、食後の不快感や食欲低下につながることがある
・減塩を意識し、素材の味を活かした調理が基本
胃がん患者さん向け|控えたい食品まとめ
胃がんでは、胃の消化機能が低下しやすく、食後の不調や体力低下につながる食品があります。ここでは、胃がん患者さんが控えたい食品の種類とその理由を整理します。
| 食材カテゴリ | 具体例 | 避けた方がよい理由 |
| 脂っこい料理・揚げ物・脂身の多い肉 | 唐揚げ、とんかつ、焼肉(脂身の多い部位)など | 脂肪が多いと消化に時間がかかり、胃もたれや不快感を起こす可能性があるため |
| 刺激物・香辛料・アルコール | 唐辛子、こしょう、わさび、からし、アルコール類 | 胃の粘膜への刺激が強く、痛みや不快感を起こしやすいため |
| 加工食品・塩分が多い食品 | ハム、ソーセージ、インスタント食品、漬物など | 高塩分食品は胃に刺激を与えやすく、胃がんのリスクや不快感の原因になりやすいとされるため |
| 高塩分の調味食品 | 干物、塩辛、佃煮、味の濃いスープなど | 塩分の多い食品は胃への負担が大きくなる可能性があるため |
胃がん患者さんは、胃に負担をかけやすい食品を控えることが大切です。脂っこい料理や揚げ物、刺激の強い香辛料、アルコール、加工食品や塩分の多い食品は、胃への刺激や不調の原因になることがあります。体調に合わせて量や調理法を調整し、無理のない範囲で続けていきましょう。
毎日の工夫で食事をラクにするコツ

毎日の工夫で食事をラクにするコツ
胃がんでは、手術や治療の影響で胃の働きが弱まり、食事量が減ったり、食後に不快感が出たりすることがあります。だからこそ、「無理なく食べられる工夫」を取り入れることが大切です。
ここでは、胃に負担をかけにくく、食事を続けやすくするために、次のポイントに沿ってご紹介します。
- 食べられない日があるときの考え方
- 外食・コンビニで迷わない選び方
順に見ていきましょう。
食べられない日があるときの考え方
胃がんの手術や治療の影響で、以前のように食べられない日が出てくることは珍しくありません。胃が小さくなったり、胃のはたらきが弱くなったぶん、消化や吸収は小腸など他の消化管で補われますが、手術前と同じようにはいかないのが自然なことです。
そのため、「食べられない=悪いこと」と思いすぎず、食べ方を少しずつ調整していくことが大切になります。一般的には、1回の量を減らして回数を増やすことや、少量でもエネルギーがとれる食品を選ぶことが基本です。
また、胃の手術後に起こりやすい不調(胃切除後症候群)を防ぐためにも、次のような習慣を意識してみましょう。
・よくかんで、ゆっくり食べる
・1回の量を控え、食事回数を増やす
・毎日なるべく同じ時間に食べる
体調や食べられる量には個人差があります。無理に「普通」に戻そうとせず、今の自分に合ったペースを見つけていくことが、長く食事を続けるコツです。
外食・コンビニで迷わない選び方
外食やコンビニを利用するときは、「完璧を目指さない」ことが大切です。次のポイントを意識するだけでも、体への負担はぐっと減らせます。
選び方の基本ポイント
・主食+主菜+副菜がそろうものを選ぶ
・揚げ物・脂っこい料理は控えめにする
・味付けが薄そうなものを優先する(塩分・脂質を抑えやすい)
・野菜・たんぱく質が入っているかをチェック
コンビニで選びやすい例
・おにぎり+サラダ+ゆで卵
・雑穀ごはん+焼き魚・蒸し鶏
・具だくさんスープ+おにぎり
外食で迷ったら
・定食スタイルを選ぶ
・「焼く・蒸す・煮る」調理法を意識する
・ごはんや量は無理せず調整する
無理に制限しすぎず、「今日はこれでOK」と思える選択を重ねていきましょう。
まとめ|無理せず、今日の一食を大切に。胃がんと向き合う食事の考え方

まとめ|無理せず、今日の一食を大切に。胃がんと向き合う食事の考え方
胃がんの治療中や手術後は、胃が小さくなったり、働きが変わったりすることで、一度に食べられる量が減ったり、食後につらさを感じやすくなることがあります。今までと同じように食べられないことに、戸惑いや不安を感じる方も少なくありません。
それでも、少量でも口にできたことは、体力を守るための大切な一歩です。胃がんの治療後は、よくかんでゆっくり食べること、1回の量を減らして回数を増やすことなど、胃に負担をかけにくい食べ方が体調の安定につながります。消化にやさしいたんぱく質や、やわらかく調理した野菜、エネルギーを補いやすい主食を、体調に合わせて選んでいきましょう。
食後のもたれや早い満腹感、体重減少などが気になることもありますが、食事を我慢しすぎる必要はありません。「食べられる形に工夫すること」が、胃がんと向き合う食事の基本です。
また、食事の悩みは一人で抱え込まなくて大丈夫です。症状や生活に合わせて、医師や管理栄養士に相談しながら調整していくことで、無理のない食べ方が見えてきます。無理をせず、比べず、できることを少しずつ。今日の一食を大切にすることが、明日の体力と回復につながっていきます。
※本記事は医療専門ライターによる寄稿であり、診療行為・医師の個別見解を示すものではありません。治療・食事に関するご不安は、必ず主治医・管理栄養士にご相談ください。
