治療前に知っておきたい白血病検査のすべて|痛みや不安をやわらげる安心ガイド

白血病の検査と聞くと、「痛いのかな」「どんなことをされるのだろう」と不安でいっぱいになる方は少なくありません。ご本人だけでなく、ご家族にとっても「どこまで支えられるのか」「結果が出たらどうなるのか」と心配は尽きないものです。

しかし、検査は単に病名を決めるためだけのものではありません。治療を安全に進めるための確認や、病気のタイプを見極めて最適な治療法を選ぶために欠かせない、大切なステップです。近年は検査方法やサポート体制も進歩し、事前に流れを知っておくことで安心して受けられるようになってきています。

本記事の執筆者はこれまで大学病院の血液内科で、白血病患者さんとご家族のケアに携わってきた経験を持つ医療専門ライターです。検査を受ける前の不安、結果を待つあいだの落ち着かない気持ち、そして診断がついた後の葛藤――そうした場面に立ち会い、多くの方々の思いに寄り添ってきました。

本記事では、白血病の検査で「どんなことをするのか」「どんな意味があるのか」を、患者さんとご家族が安心して理解できるようにやさしく解説します。不安を少しでも和らげ、納得して検査に臨むための助けになれば幸いです。

白血病の検査とは|まず知っておきたい基本

白血病の検査とは|まず知っておきたい基本

白血病にはいくつか種類があり、急性・慢性といった違いによって進行の速さや症状も異なります。検査は「白血病かどうか」を確かめるだけでなく、病型を見極めて最適な治療法を選ぶために欠かせないステップです。あらかじめ流れを知っておくことで、不安を少しやわらげることができます。

ここではまず、白血病の検査について基本から確認していきましょう

  • 白血病ってどんな病気?簡単に理解しておこう
  • なぜ検査が必要なのか|早期発見と治療のために

それでは、一つずつ見ていきましょう。

白血病ってどんな病気?簡単に理解しておこう

白血病は、骨髄(血液をつくる工場のような場所)で血液細胞ががん化して増えてしまう病気です。その結果、正常な赤血球や白血球、血小板がつくられにくくなり、貧血(だるさや息切れ)、出血しやすい、感染症にかかりやすいといった症状が現れます。

白血病は大きく2つに分けられます。
急性白血病:進行が速く、すぐに治療が必要になるタイプ
・慢性白血病:進行がゆるやかで、経過観察を行う場合もあるタイプ
さらに、それぞれに「骨髄性」と「リンパ性」があり、種類によって治療法が異なります。

治療の選び方は、白血病のタイプだけでなく、患者さんの年齢や全身の状態によっても変わります。また、症状が落ち着いても再発する可能性があるため、長期的に経過を見守ることがとても大切です。

なぜ検査が必要なのか|早期発見と治療のために

白血病の検査は、病気かどうかを調べるためだけではありません。病気の種類や進行の速さを見極めて、患者さん一人ひとりに合った治療法を選ぶために欠かせない大切なステップです。

白血病には、急性・慢性、骨髄性・リンパ性といった大きな分類だけでなく、染色体や遺伝子の特徴による細かい分類もあります。これらを調べることで、どの薬を使うか、どのように治療を進めるかが決まります。

さらに、治療に耐えられるかどうかを判断するために、心臓・肝臓・腎臓など全身の状態も確認します。検査を丁寧に行うことで、より安全で、より患者さんに合った治療を受けることができるのです

診断時に行う白血病の検査

診断時に行う白血病の検査

白血病には急性・慢性などいくつかの種類があり、進行の速さや症状も異なります。検査は「白血病かどうか」を調べるだけでなく、病型を見極めて治療法を決めるために欠かせません。流れを知っておくと、不安も少しやわらぎます。

ここでは、診断時によく行われる検査について紹介します

  • 血液検査|初めてでも安心できる基本の流れ
  • 骨髄検査(骨髄穿刺)|痛みや流れを知って心の準備
  • 染色体・遺伝子検査|白血病の種類を理解するために
  • 画像検査|リンパ節や臓器の状態を確認

それでは一つずつ見ていきます。

血液検査|初めてでも安心できる基本の流れ

白血病の診断の第一歩は血液検査です。健康診断と同じく腕から血液を採取し、次のような項目を調べます。

  • 白血球・赤血球・血小板の数の異常
  • 未熟な血液細胞(芽球)が血液中に出ているか

などです。これらを確認することで、白血病の可能性や病気の進行度を把握します。

結果が出るまでの時間は病院によって異なり、院内で検査できる場合は数時間程度、外部の検査機関に依頼する場合は数日〜1週間ほどかかることもあります。血液検査は「採血だけで行える負担の少ない検査」なので、初めての方でも安心して受けられるのが特徴です。

骨髄検査(骨髄穿刺)|痛みや流れを知って心の準備

骨髄検査は、白血病の診断や種類を確定するために欠かせない検査です。腰の骨(腸骨)から骨髄液を少量採り、血液細胞の成熟度や白血病細胞の割合、染色体・遺伝子の異常などを調べます。

流れとしては、
1.局所麻酔をして痛みをやわらげる
2.腰の骨に細い針を刺して骨髄液を数ミリリットル採取する

麻酔をするので大きな痛みは抑えられますが、チクッとした刺激や、吸い取るときの「ズーン」とする感覚があることもあります。検査自体は数分で終わります。強い不安や痛みがある場合は、小児などを中心に鎮静剤を併用することもあります。不安なときは、事前に医師や看護師に相談しておくと安心です

染色体・遺伝子検査|白血病の種類を理解するために

染色体・遺伝子検査は、血液検査や骨髄検査で採取した検体を使って行う追加の検査です。顕微鏡で細胞を観察するだけでは分からない、細胞の中の染色体の異常や特定の遺伝子の変化を詳しく調べることができます。

白血病には「フィラデルフィア染色体」など、特徴的な染色体や遺伝子異常が関わるタイプがあり、これらの有無を調べることによって診断の正確さが増し、治療法や使用する薬の選択に大きく影響します。

たとえば、特定の遺伝子異常がある場合には分子標的薬と呼ばれる薬が効果的であったり、逆に移植が必要になるケースもあります。そのため、この検査は患者さん一人ひとりに合った最適な治療方針を立てるために欠かせない重要な検査です。

画像検査|リンパ節や臓器の状態を確認

画像検査は、白血病が骨髄以外の臓器やリンパ節に広がっていないかを確認するために行われます。

主に次のような方法があります。
・胸部X線:肺や心臓の状態を確認
・CT検査:リンパ節の腫れや臓器への広がりを詳しくチェック
・超音波(エコー):肝臓や脾臓の大きさを確認

必要に応じて、MRI検査が行われることもあります。特に脳や神経への影響が疑われる場合に用いられる検査です。これらの検査によって、合併症の有無や全身の状態を把握でき、安心して治療方針を立てることができます

治療前・治療中に行う検査

治療前・治療中に行う検査

白血病の治療では、抗がん剤や免疫抑制治療によって体の抵抗力が下がることがあります。そのため、治療前・治療中には体の状態をしっかり確認する検査が欠かせません。これにより、安全に治療を進められるようになります。

ここでは、治療前や治療の途中でよく行われる検査について紹介します

  • 血液検査|体の状態を知って安全に治療
  • 心臓・肺の検査|治療に耐えられるか評価
  • 感染症検査|免疫状態や潜在的な感染を確認

それでは、一つずつ見ていきましょう。

血液検査|体の状態を知って安全に治療

血液検査は、治療中や治療後の効果を確認するうえで欠かせない検査です。抗がん剤を使うと体にさまざまな影響が出るため、血液検査で安全を確認しながら治療を進めます

主にチェックするポイントは以下の通りです:
・血球の数の確認
白血球・赤血球・血小板の数値が下がると、感染・貧血・出血しやすさにつながります。

・臓器の働きの確認
治療による肝臓や腎臓への負担を評価します。

・炎症や感染の早期発見
治療中に感染症のリスクが高まるため、兆候を早めにキャッチします。

・白血病細胞(芽球)の確認
血液中に残っていないかを調べ、治療の効果を評価します。

これらの情報をもとに、医師は薬の使い方や治療方針を調整し、より安全に治療を進めることができます

心臓・腎臓・肝臓等の検査|治療方針を決めるために

白血病の治療では、抗がん剤や放射線治療が体に負担をかけることがあります。そのため、心臓・腎臓・肝臓・肺の状態を事前に確認することは、安全に治療を進めるうえで欠かせません。これにより、どの薬をどの量使えるか、治療計画をどう立てるかを判断できます。

検査の内容は以下の通りです。
・心臓:心電図や心エコーで心臓の働きやリズムの異常を確認
・腎臓・肝臓:血液検査で臓器の機能を評価し、必要に応じて画像検査で状態を詳しく確認
・肺:胸部X線やCTで、肺炎などの感染症や炎症の有無をチェック

これらの検査により、患者さんに最も合った治療計画を立てられるだけでなく、治療中のトラブルを予防したり、万一異常があっても早めに対応できる安心感につながります

感染症検査|免疫状態を把握して安心

白血病の治療では、抗がん剤や免疫抑制治療により感染症にかかりやすくなるため、治療前・治療中に感染症のリスクを確認する検査が行われます。

主な目的は次の通りです。
・すでに体にある感染症(肝炎ウイルス、HIVなど)の確認
・治療による免疫低下や感染リスクの把握
・必要に応じた予防策(抗菌薬やワクチン接種)の検討

抗菌薬やワクチンは、すべての患者さんに行うわけではなく、免疫状態や治療スケジュールに応じて主治医が判断します。事前にリスクを確認しておくことで、安心して治療を受けられる準備ができます

検査結果の意味と今後のステップ

治療前・治療中に行う検査

白血病の検査結果は、病気の状態や今後の治療方針を決めるうえでとても大切です。数値や分類から、どの治療が適しているのか、体への負担はどの程度かといったことを把握できます。

ここでは、検査結果から分かることや、診断確定後の治療ステップを整理していきます

  • 血液検査の数値や種類から分かること
  • 診断確定後の治療ステップと家族のサポート

順番に見ていきましょう。

血液検査の数値や種類から分かること

白血病の治療では、血液検査で体の状態や治療効果を確認することが大切です。特に、患者さん自身にもチェックしてほしい項目は以下の通りです。

白血球(WBC):感染に対する抵抗力の目安です。
・数が少ないと感染しやすくなるため、手洗いやマスク、外出の工夫などで注意が必要です。
・数が多い場合は白血病細胞が増えている可能性があり、医師が治療方針を検討します。

赤血球(RBC)・ヘモグロビン(Hb):体に酸素を運ぶ力を示します。
・減少すると貧血によるだるさや息切れが出やすくなります。
・必要に応じて輸血や治療の調整が行われます。

血小板(Plt):出血しやすさの指標です。
・数が少ないと、ちょっとしたけがでも出血しやすくなります。
・出血やあざに注意し、場合によっては輸血が行われます。

芽球(Blasts):血液中の白血病細胞の割合です。
・治療効果の評価に重要です。
・数値の変化に応じて、治療方針の見直しが行われます。

これらの数値は、症状や他の検査結果とあわせて総合的に判断されます。自分の数値を理解しておくことで、体の変化に気づきやすくなり、安心して治療に臨む助けになります

診断確定後の治療ステップと家族のサポート

白血病の診断が確定すると、治療方針は白血病の種類や症状、年齢、全身の状態に応じて決まります

  • 急性白血病:進行が速いため、診断後すぐに治療が始まることが多く、入院して化学療法を行うのが一般的です。治療は段階的に行われ、骨髄の状態や血液検査の結果に応じて薬の量やスケジュールが調整されます。
  • 慢性白血病:症状が軽い場合は経過観察から始まり、症状や血液の状態に応じて治療が検討されます。治療が必要になった場合も、段階的に薬物療法などが行われます。

治療の進め方は個人差があるため、焦らず一つずつステップを踏んでいくことが大切です

<家族のサポート>
診断直後は、患者さん自身がまだ受け入れきれていないことが多く、無理に励ますよりも気持ちに寄り添うことが重要です。日常のケアや付き添いなど、安心できる環境を整えてあげることが、治療に向き合う力につながります。

検査の不安をやわらげるために

検査の不安をやわらげるために

白血病の検査では、初めての血液検査や骨髄検査に「痛そう」「怖い」と不安を感じる方も多いです。どんな流れで進むのか、どんなことに気をつければいいのかを知っておくと、少し気持ちが落ち着きます。

ここでは、検査に関するよくある不安や、検査前・検査中にできる心の準備について整理します

  • よくある不安とその解消法
  • 検査前・検査中にできる心の準備

それでは、一つずつ見ていきましょう。

よくある不安とその解消法

白血病の検査では、「痛くないかな…」「どんな流れなのか不安…」「体に負担はかからないかな…」といった心配が自然に出てきます。初めてのことばかりで心がざわつくのは当たり前です。無理に不安を隠す必要はありません。

安心して検査に臨むためには、まずどんな検査が行われるのか、どのくらい時間がかかるのか、どんなサポートがあるのかを知っておくことが役立ちます。

1.痛みや違和感の目安
・血液検査:針を刺すときに軽くチクッとする程度
・骨髄検査:局所麻酔で大きな痛みは少なく、圧迫感や軽いチクッとした痛みを感じることがあります

2.検査にかかる時間の目安
・血液検査:数分~10分程度
・骨髄検査:30分程度

3.検査中のサポート
・看護師がそばで付き添ってくれる必要に応じて声かけや呼吸のサポートも受けられます

事前に検査の流れや痛みの程度、サポートの内容を知っておくことで、安心して検査を受けられます。

検査前・検査中にできる心の準備

不安をやわらげるためには、実際に自分ができる準備や工夫を知っておくことも大切です。

1.検査の流れを確認する
前もってどんな順序で行われるかを知ることで、心の準備ができます
2.痛みや不安の程度を把握する
麻酔の有無や針の感覚などを確認しておくと安心です
3.苦手なことや希望を伝える
痛みが苦手、怖がりやすいなどを医師や看護師に伝えましょう
4.リラックス法を取り入れる
深呼吸、目を閉じる、軽く会話をするなどで緊張をやわらげられます

不安でも大丈夫|白血病の検査を安心して受けるためのまとめ

不安でも大丈夫|白血病の検査を安心して受けるためのまとめ

白血病の検査は、初めての経験や痛み、慣れない環境での不安など、誰でも緊張するものです。でも、それは自然なことです。事前に検査の内容や流れ、どのくらい時間がかかるか、どんなサポートが受けられるかを知っておくと、少しずつ落ち着いて臨むことができます。

血液検査や骨髄検査は、治療の安全性や効果を確認するために欠かせないものです。痛みや違和感がある場合もありますが、医療スタッフがしっかりサポートしてくれますし、深呼吸や軽い会話など、自分なりの工夫で気持ちを和らげることも可能です。

不安があっても無理に我慢する必要はありません。疑問や心配なことは、遠慮なく医療スタッフに伝えましょう少しずつ検査に慣れながら、自分のペースで進めることが、安心して治療に向き合う第一歩です。

※本記事は医療専門ライターによる寄稿であり、診療行為・医師の個別見解を示すものではありません。治療に関するご不安は、必ず主治医にご相談ください。

 

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