胃がんと向き合うために知っておきたいこと|原因・症状・治療法をわかりやすく解説

胃がんと診断されたとき、患者ご本人はもちろん、ご家族も大きな不安を抱えることでしょう。「これからどうなるのか」「どんな治療があるのか」「食事や生活はどうすればいいのか」——さまざまな疑問や悩みが生まれるのは自然なことです。

しかし、今は胃がんの治療が進歩し、選択肢が増えています早期発見できれば完治を目指せるケースも多く、進行がんでも新しい治療法が次々と開発されています。大切なのは、正しい知識を持ち、納得のいく治療を選びながら、前向きに病気と向き合うことです。

本記事では、胃がんについての基本情報から治療法、手術後の生活までを分かりやすく解説します。ご自身やご家族のために、少しでも安心できる材料を見つけられるよう、お手伝いできればと思います。

はじめに:胃がんとは?

はじめに:胃がんとは?

胃がんは、日本において比較的多くみられるがんの一つです。発症の背景にはさまざまな要因があり、早期に発見できれば高い確率で治療が可能ですが、進行すると対応が難しくなることもあります。そのため、胃がんについて正しく知り、病気への理解を深めることが大切です

本章では、胃がんの基本情報として、どのような部位に発生し、どのような種類があるのかを解説します。また、日本における胃がんの罹患率や死亡率についても紹介し、現在の状況を把握する手助けになればと思います。

  • 胃がんの基本情報(発生部位・種類)
  • 日本における胃がんの罹患率と死亡率

一つ一つ見ていきましょう。

胃がんの基本情報(発生部位・種類)

胃がんは、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍であり、発生する部位や組織の性質によっていくつかの種類に分類されます。

■胃がんの発生部位による分類
・噴門部胃がん(胃の入り口である食道との境目に発生)
・胃体部胃がん(胃の中央部に発生)
・幽門部胃がん(胃の出口付近に発生)

発生する部位によって症状の出方や治療方法が異なることがあります。

■胃がんの組織型による分類
胃がんは、組織の種類によっても分類されます。特に多いのは次の2つです。
・腺がん(胃がんの大部分を占めるタイプで、胃の粘膜細胞から発生)
・スキルス胃がん(がん細胞が胃の壁に広がり、進行が速いタイプ)
胃がんの種類によって、治療方法や進行の仕方が異なるため、適切な診断と治療の選択が重要になります。

日本における胃がんの罹患率と死亡率

日本は世界的に見ても胃がんの発症率が高い国の一つです。これは、食生活やピロリ菌感染の割合が関係していると考えられています。

■日本の胃がん罹患率(新たに胃がんと診断される人の数)
・日本では年間約11万人が新たに胃がんと診断されています。
・罹患率は50代から増加し、60代・70代でピークを迎える傾向があります。

■日本の胃がん死亡率
・胃がんによる死亡者数は年間約4万人にのぼります。
・かつては日本人の死因の上位でしたが、検診の普及や治療の進歩により死亡率は減少傾向にあります。

早期発見ができれば治療の選択肢が広がり、生存率も大きく向上します。そのため、定期的な検診を受けることが胃がん予防の鍵となります。

参照:がん情報サービス『がん種別統計情報 胃』

 

胃がんの原因とリスク要因

胃がんの原因とリスク要因

胃がんは、特定の要因が組み合わさることで発症リスクが高まると考えられています。中でも食生活や生活習慣の影響、ピロリ菌感染、遺伝的要因が主なリスクとして挙げられます。

近年、医学の進歩により、胃がんの発症メカニズムがより明らかになってきました。特に、日本では胃がんの発症率が高いため、リスクを理解し、予防につなげることが重要です。

本章では、胃がんを引き起こす主な原因とリスク要因について詳しく見ていきましょう。

  • 食生活(塩分過多・喫煙・飲酒の影響)
  • ピロリ菌感染とその影響
  • 遺伝的要因と家族歴

それぞれ解説していきます。

食生活(塩分過多・喫煙・飲酒の影響)

日々の食生活は、胃の健康に大きな影響を与えます。特に、塩分の多い食事、喫煙、過度の飲酒は、胃の粘膜を傷つけ、がんのリスクを高める要因として知られています。

1.塩分の過剰摂取
塩分の多い食品を長期間摂取すると、胃の粘膜が慢性的にダメージを受け、炎症を引き起こすことがあります。この状態が続くと、がん細胞が発生しやすい環境になってしまいます。
・高塩分の食品例:漬物、味噌汁、塩辛、干物、インスタント食品
・リスク:胃の粘膜を傷つけ、慢性胃炎や萎縮性胃炎を引き起こす可能性がある
・対策:減塩を意識し、出汁の旨味を活かした調理法を取り入れる

特に、ピロリ菌感染と組み合わさることで、胃がんのリスクがさらに高まるとされています。

2.喫煙の影響
タバコに含まれる有害物質は、胃粘膜を直接刺激し、胃がんの発生リスクを高めることが分かっています。
・リスク:喫煙者は、非喫煙者に比べて胃がんの発症率が1.5~2倍高い
・影響:タバコの有害成分が胃の粘膜を傷つけ、発がん物質の影響を受けやすくする
・対策:禁煙・減煙を心がけ、健康的な生活習慣を意識する

長年喫煙している人ほど、胃がんのリスクが高まるため、可能な限り早い段階での禁煙が推奨されます。

3.過度な飲酒の影響
適度な飲酒であれば問題は少ないですが、大量のアルコール摂取は胃粘膜を傷つけ、炎症を引き起こすことがあります。
・リスク:特に強いお酒を空腹時に摂取すると、胃の粘膜が直接ダメージを受ける
・影響:胃炎のリスクが高まり、長期的に見ると胃がんの発症率が上昇する可能性がある
・対策:飲酒の頻度や量を見直し、胃に優しい飲み方を意識する(例:食事と一緒に飲む、水を多めに取る)

特に、アルコールを分解しにくい体質の人(顔が赤くなりやすい人)は、発がんリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。

ピロリ菌感染とその影響

ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の粘膜に生息する細菌で、慢性的な炎症を引き起こし、胃がんのリスクを高めることが分かっています。日本では感染者が多く、特に高齢者の約半数がピロリ菌に感染しているとされています。

1.ピロリ菌感染の影響
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が炎症を起こし、以下の病気を引き起こすことがあります。
・慢性胃炎(胃の粘膜が長期間にわたって炎症を起こす)
・萎縮性胃炎(胃の粘膜が薄くなり、胃液の分泌が減る)
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍(強い炎症により粘膜が傷つき、潰瘍ができる)

ピロリ菌感染が続くと、胃の粘膜が徐々にダメージを受け、胃がんが発生しやすい環境になります。特に、ピロリ菌感染と塩分の多い食事が組み合わさると、胃がんのリスクがさらに高まることが報告されています。

2.ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌は、主に幼少期の家庭内感染(親から子への口移しなど)によって広がると考えられています。
水や食べ物を介した感染(衛生環境が整っていない地域ではリスクが高い)
家族内での感染(親が感染していると、子どもも感染している可能性が高い)

衛生環境が向上した現在では、若い世代の感染率は減少していますが、40歳以上では感染者が多いため、定期的な検査が推奨されます

3.ピロリ菌検査と除菌治療
ピロリ菌は、簡単な検査で感染の有無を調べることができ、除菌治療によって胃がんのリスクを大幅に減らすことが可能です。
・検査方法
 ○血液・尿検査(抗体検査)
 ○尿素呼気試験(ピロリ菌が発生するガスを測定)
 ○胃カメラ検査(組織の一部を採取し、菌の有無を調べる)

・除菌治療

 ○2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬を1週間服用する
 ○成功率は約90%(除菌後も経過観察が重要)

遺伝的要因と家族歴

「家族に胃がんの人がいると、自分もなるのでは?」と不安に思う方も多いかもしれません。実際、家族歴があると胃がんのリスクはやや高まることが分かっていますが、遺伝的要因だけで発症するわけではありません。

1.胃がんと家族歴の関係
・親や兄弟姉妹に胃がんの経験者がいる場合、発症リスクが1.5倍~2倍になるとされています。
・家族内でピロリ菌の感染率が高い場合、リスクがさらに上昇することもあります。

ただし、家族歴があるからといって必ず発症するわけではなく、生活習慣や感染症の影響が大きな要因になるため、予防策をしっかり取ることが重要です。

2.遺伝的要因と胃がんリスク
胃がんには、特定の遺伝子変異が関係している可能性があります。
・家系内に若年性の胃がん患者が多い場合、遺伝的要因が強い可能性がある
・「リンチ症候群」や「家族性胃がん」など、一部の遺伝性疾患ではリスクが高まることが報告されている

しかし、一般的な胃がんの発症には、遺伝だけでなく食生活やピロリ菌感染などの環境要因が大きく影響しているため、生活習慣を改善することでリスクを下げることができます

3.家族歴がある場合の対策
家族に胃がん経験者がいる場合、定期的な検診を受けることが最も重要です。
・40歳以上の方は、1~2年に1回の内視鏡検査を受ける
・ピロリ菌感染が疑われる場合は、早めに検査を受ける
・塩分の多い食事を控え、野菜や果物を多く摂取する

 

胃がんの症状と早期発見の重要性

胃がんの症状と早期発見の重要性

胃がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうケースが少なくありません。しかし、進行すると、食事や体調に変化が現れることが多くなります。

特に、胃がんは早期発見できれば治療の選択肢が増え、生存率も高まることが分かっています。そのため、症状に気づいたら早めに医療機関を受診することが重要です。また、定期的な検診を受けることで、無症状のうちに発見することも可能になります。

本章では、胃がんの初期症状と進行した場合の症状、そして早期発見のために必要な検診について詳しく解説していきます。

  • 初期症状(食欲不振・胃もたれ・胸やけ)
  • 進行した場合の症状(体重減少・貧血・胃痛)
  • 定期検診の重要性(胃内視鏡検査・ピロリ菌検査)

一つ一つ解説していきます。

初期症状(食欲不振・胃もたれ・胸やけ)

胃がんの初期段階では、ほとんど症状がないか、軽い不調として現れることが多いです。そのため、症状が出ても「疲れがたまっている」「胃の調子が悪いだけ」と見過ごされがちです。

  1. 食欲不振
    ・食欲が湧かない
    ・すぐにお腹がいっぱいになる

  2. 胃もたれ
    ・食後の不快感や重たさが続く
    ・脂っこいものを食べると特に感じやすい

  3. 胸やけ
    ・胃酸の逆流によるムカムカ感
    ・酸っぱいものや辛いものを食べた後に悪化する

  4. 軽い吐き気
    ・特定の食べ物を受け付けなくなる
    ・食後に胃の違和感が続く

これらの症状は、胃炎やストレスでも起こるため、胃がんの兆候と気づきにくいのが特徴です。しかし、長期間(数週間以上)続く場合は、念のため医療機関を受診することをおすすめします。

進行した場合の症状(体重減少・貧血・胃痛)

胃がんが進行すると、よりはっきりとした症状が現れるようになります。

  1. 体重減少
    ・食欲がない
    ・少ししか食べられない
    ・急激に体重が減る
  2. 貧血
    ・めまいやふらつきがある
    ・顔色が悪くなる
    ・倦怠感が続く
  3. 胃痛
    ・鈍い痛みが続く
    ・食事の前後に痛みを感じる
  4. 黒い便(タール便)
    ・胃からの出血により、便が黒っぽくなる
    ・貧血とともに現れることが多い
  5. 嚥下困難
    ・食べ物がスムーズに飲み込めない
    ・食事中に詰まる感覚がある

特に、体重の急激な減少や胃の痛みが長期間続く場合は、早めの診察が必要です。

定期検診の重要性(胃内視鏡検査・ピロリ菌検査)

胃がんは、症状が出る前の段階で発見することが最も重要です。自覚症状がないうちに検診を受けることで、早期発見につながります。

  1. 胃内視鏡検査(胃カメラ)
    ・直接胃の粘膜を観察し、異常を発見する
    ・小さなポリープやがんを発見でき、必要に応じて組織を採取(生検)して詳しく調べることができる
    ・早期がんの場合、内視鏡治療で切除できるケースも多い

    ■推奨される受診タイミング
    ・40歳以上の人は、1~2年に1回のペースで定期的に受ける
    ・家族に胃がん経験者がいる人は、30代からの検査を推奨
  2. ピロリ菌検査
    ・ピロリ菌は胃がんの最大のリスク要因のひとつ
    ・感染が確認された場合、除菌治療を行うことで胃がんリスクを大幅に減らせる
    ・方法:血液検査、尿検査、尿素呼気試験、便検査など

    ■ピロリ菌検査をおすすめする人
    ・40歳以上で、一度もピロリ菌検査を受けたことがない人
    ・家族にピロリ菌感染者や胃がん経験者がいる人
    ・胃の不調が続く人

 

胃がんの診断と検査方法

胃がんの診断と検査方法

胃がんは、症状が現れてから診断されることもありますが、無症状の段階で検査を受けることで早期発見が可能になります。診断のためには、胃内視鏡検査(胃カメラ)、造影検査(バリウム検査)、CT・MRI・PET検査など、いくつかの方法があります。

本章では、それぞれの検査方法の特徴や目的について詳しく解説していきます。

  • 胃内視鏡検査と組織生検
  • 造影検査(バリウム検査)の役割
  • CT・MRI・PET検査による進行度の評価

上から解説していきます。

胃内視鏡検査と組織生検

1.胃内視鏡検査(胃カメラ)の仕組み
口または鼻から細いカメラを挿入し、胃の内部を直接観察する検査
・胃の粘膜の異常(炎症・ポリープ・がん)を発見できる
・必要に応じて組織を採取(生検)し、がん細胞の有無を確認することが可能

2.胃内視鏡検査のメリット
がんの疑いがある部分を直接観察できるため、精度が高い
・組織生検により、がんかどうかを確定診断できる
・早期がんの場合、内視鏡治療で切除が可能

3.胃内視鏡検査を受けるべき人
・40歳以上の人(1~2年に1回の定期検診が推奨される)
胃もたれや食欲不振が続いている人
・家族に胃がん経験者がいる人

胃がんの早期発見には、胃内視鏡検査が最も有効とされています。自覚症状がなくても、定期的に受けることが大切です。

造影検査(バリウム検査)の役割

1.バリウム検査の仕組み
バリウムという造影剤を飲み、X線を使って胃の形や異常を調べる検査
・胃の粘膜の凹凸や、がんによる変化を映し出す

2.バリウム検査のメリットとデメリット
■メリット
X線を使うため、非侵襲的(体への負担が少ない)
・大きな病変(がんや潰瘍)を発見しやすい

■デメリット
・小さな病変(初期のがんや小さなポリープ)は見つかりにくい
・異常が見つかった場合は、追加で胃内視鏡検査が必要になる

3.バリウム検査を受けるべき人
・胃がんのスクリーニング(ふるい分け検査)を受けたい人
・胃内視鏡検査が苦手な人(バリウム検査の後に、必要なら内視鏡を受ける)

バリウム検査は、あくまで「異常がないかをざっくりとチェックするための検査」です。疑わしい所見があれば、必ず胃内視鏡検査で詳しく調べる必要があります。

CT・MRI・PET検査による進行度の評価

1.CT検査の仕組み
・X線を使って、体の断面画像を撮影する検査
・胃がんがどの程度広がっているか(進行度)を評価するのに役立つ
・リンパ節や他の臓器への転移がないかを確認する

2.MRI検査の仕組み
・磁気を利用して、体内の詳細な画像を撮影する検査
・CTよりも軟部組織(臓器・血管)の状態を詳しく観察できる
・胃がんの進行度や転移の有無を調べる際に活用される

3.PET検査の仕組み
・がん細胞が活発に取り込む「ブドウ糖」に目印をつけて、がんの広がりを調べる検査
・CTやMRIで見つけにくい微小ながん転移を発見できる可能性がある
・手術や治療計画を立てる際に、がんの広がりを把握する目的で使用される

4.CT・MRI・PET検査を受けるべき人
・胃がんの診断を受け、進行度を詳しく調べる必要がある人
・手術や治療を検討するために、転移の有無を確認する人

CT・MRI・PET検査は、がんの進行具合を正確に評価するための検査です。早期胃がんの段階ではあまり使われませんが、がんの広がりを調べるために重要な役割を果たします。

 

胃がんの治療方法

胃がんの治療方法

胃がんの治療方法は、がんの進行度や患者の状態によって異なります。早期に発見された場合は、内視鏡治療で完治を目指すことができますが、進行している場合は手術や化学療法、放射線療法が必要になります。また、最新の医療技術としてロボット支援手術や免疫療法、分子標的薬による治療も進化しています。

本章では、胃がんの治療方法について詳しく解説します。

  • 早期がんの治療(内視鏡的治療)
  • 進行がんの治療(手術・化学療法・放射線療法)
  • 最新の治療法(ロボット支援手術・免疫療法・分子標的薬)

それぞれ解説していきます。

早期がんの治療(内視鏡的治療)

1.内視鏡的治療の仕組み
・胃内視鏡(胃カメラ)を使って、胃の内側から病変を切除する治療法
・開腹手術を行わずにがんを取り除くことが可能
・粘膜下層(がんが深く入り込んでいない状態)までのがんが対象

2.内視鏡的治療の種類
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
・胃の表面にある早期がんを切除する方法
・比較的小さながんに適応される

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
・がんが広範囲に広がっている場合でも、まとめて切除が可能
・より進行度が低いがんに適応され、根治が期待できる

3.内視鏡的治療を受けるべき人
・がんが早期(ステージI)で、転移がない人
・がんの大きさが2cm以下で、粘膜内にとどまっている場合

内視鏡治療は、手術と比べて身体への負担が少なく、回復も早いため、早期発見された場合の治療として最も有効な方法の一つです。

進行がんの治療(手術・化学療法・放射線療法)

1.手術療法(外科手術)
・がんが進行している場合、胃の一部または全体を切除する手術を行う
リンパ節に転移がある場合は、リンパ節郭清(切除)も併せて実施

胃部分切除
・がんが胃の一部にとどまっている場合に行われる
・胃の機能をできるだけ残すことが可能

胃全摘除術
・がんが広範囲に広がっている場合に行われる
・胃をすべて切除し、食道と小腸を直接つなぐ

2.化学療法(抗がん剤治療)
・手術後の再発予防や、手術が難しい場合に用いられる
・がん細胞の増殖を抑える薬を使用
・主に使用される薬剤例:
 フルオロウラシル系(5-FU、カペシタビン)、プラチナ製剤(シスプラチン、オキサリプラチン)

3.放射線療法
・X線や放射線を使ってがん細胞を破壊する治療法
・手術が難しい場合や、化学療法と併用して行われる

4.進行がん治療を受けるべき人
・がんが粘膜下層より深く進行している人
・リンパ節や他の臓器に転移が見られる場合

進行がんの治療は、手術が基本となりますが、術前・術後に化学療法を組み合わせることで再発リスクを抑えることが可能です。

最新の治療法(ロボット支援手術・免疫療法・分子標的薬)

1.ロボット支援手術
・ダビンチ手術(ロボット支援手術)が胃がん治療にも導入されている
・精密な操作が可能になり、より負担の少ない手術ができる
・従来の腹腔鏡手術よりも術後の回復が早く、出血が少ない

2.免疫療法
・免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ、キイトルーダなど)を使用
・がん細胞が免疫に対してブロックしている仕組みを解除し、免疫の働きを強化する
・進行がんや再発がんの治療で使用されることが増えている

3.分子標的薬治療
・がん細胞だけを狙い撃ちする薬剤を使用
・主にHER2陽性の胃がんに対して、トラスツズマブ(ハーセプチン)などが用いられる
・従来の化学療法よりも副作用が少なく、効果的な治療が可能

4.最新治療を受けるべき人
・標準治療(手術・化学療法)では効果が見られない人
・進行がんや再発がんで、新しい治療法を希望する人

最新の治療法は、まだ研究段階のものも多いため、医師と相談しながら適応を検討することが重要です。

 

まとめ:胃がんと向き合い、健康を守るために

まとめ:胃がんと向き合い、健康を守るために

胃がんは日本で比較的多く見られるがんの一つですが、早期発見と適切な治療により克服できる可能性が高い病気です。本記事では、胃がんの原因や症状、検査方法、治療法について詳しく解説してきました。

胃がんと向き合い、健康を守るために大切なポイントを改めて振り返ります。

1.早期発見が何より重要
・初期の胃がんは症状がほとんどないため、定期検診を受けることが大切
・40歳以上の方は、1〜2年に1回の胃内視鏡検査を推奨
・ピロリ菌感染がある場合は、早めの検査と除菌治療が効果的

2.胃がんのリスクを下げる生活習慣
・塩分の多い食品(漬物・干物・インスタント食品)を控える
・禁煙・飲酒を控え、胃の粘膜へのダメージを減らす
・野菜・果物を多く摂り、バランスの良い食生活を心がける

3.胃がんの治療は進歩している
早期発見できれば、内視鏡治療で完治が可能
進行がんでも、手術・化学療法・放射線療法を組み合わせることで治療の選択肢が広がる
・ロボット支援手術・免疫療法・分子標的薬などの最新治療も活用されている

4.胃がんと診断された方へ:前向きに治療を考える
病気に対する不安は誰もが感じるもの。適切な治療を受けることで希望が持てる
・治療の選択肢を理解し、自分に合った方法を医師と相談しながら決めることが大切
・サポートを受けながら、無理のない範囲で生活習慣を見直す

5.家族や周囲の人もできるサポート
・患者の気持ちに寄り添い、必要なときに話を聞く
・食事や生活習慣を一緒に見直し、健康的な食事をサポートする
・治療の選択やセカンドオピニオンについて情報を集め、患者が納得できる環境を整える

胃がんは決して克服できない病気ではありません。早期発見と適切な治療により、多くの人が普通の生活を取り戻しています

「まだ大丈夫」と思わず、定期的な検診を受けることが、胃がんの予防と早期発見につながります。

また、胃がんと診断された場合でも、選択肢を知り、前向きに治療と向き合うことが大切です。医療の進歩により、治療の幅は広がっています。一人で悩まず、家族や医療チームと協力しながら、自分に合った最適な方法を見つけていきましょう

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