肝臓がんの食事、何を食べるべき?食べていいもの・控えたいものをやさしく解説
肝臓がんと診断されると、「食べたいけど、肝臓に負担をかけてしまったらどうしよう…」「だるくて食欲がないけど、栄養はちゃんと取れるかな?」と不安に感じる方も少なくありません。
肝臓は栄養の代謝や解毒に関わる大切な臓器のため、がんや治療の影響で食欲が落ちたり、むくみやだるさが出たりすることがあります。その結果、体重や体力が減ってしまうこともあります。
ですが、食事は無理に頑張るものではありません。今の体調に合わせて、食品の選び方や調理方法、量や回数を工夫することが大切です。良質なタンパク質やビタミン・ミネラル、エネルギー源を少しずつ取り入れるだけでも、体のサポートにつながります。
本記事の執筆者は、大学病院でがん患者さんのケアに携わってきた経験のある医療専門ライターです。この記事では、肝臓がんの方が安心して食べられる食品や控えたい食品、日常で取り入れやすい工夫をやさしくまとめました。
無理せず、今日の食事を少しでも安心してとれるよう、そのヒントとしてお役に立てれば嬉しいです。
※本記事で提供する情報は、一般的な健康・栄養に関する内容であり、特定の症状や病気の治療・予防を目的としたものではありません。実際の食事内容や栄養管理は、症状や治療状況により個人差があります。
※具体的な食事の調整については、必ず主治医や管理栄養士などの医療従事者にご相談ください。なお、食事やサプリメントそのものに病気の治療や予防の効果を期待するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
目次
肝臓がんと食事の基本

肝臓がんと食事の基本
肝臓は栄養の代謝や老廃物の解毒など、体の健康を支える大切な働きを担っています。肝臓がんの治療中や手術後は、これらの働きが変化することで、食欲の低下やむくみ、だるさなどの症状が現れやすくなります。
ここでは、肝臓がんの方が食事を考えるうえで知っておきたい基本を、次の2つのポイントに分けてご紹介します。
- 肝臓の働きと食事への影響|栄養代謝と解毒の役割
- 治療中・手術後に起こりやすい体調の変化|食欲低下・むくみ・だるさに注意
順に見ていきましょう。
肝臓の働きと食事への影響|栄養代謝と解毒の役割
肝臓は、体の栄養や老廃物の管理を担う重要な臓器です。肝臓が正常に働くことで、食べたものから必要な栄養を作り出し、不要な物質を分解して体から出すことができます。
【肝臓の主な働き】
1.栄養の代謝と貯蔵
吸収された糖質・たんぱく質・脂質は肝臓で加工され、必要に応じて体の各部に送られます。
2.老廃物の解毒
体に不要な物質やアルコールなどは肝臓で分解されます。
3.胆汁の合成・分泌
食べ物の消化に必要な胆汁も肝臓で作られます。脂肪の多い食事は負担になる場合があるため、工夫が大切です。
【肝臓がん患者さんにとって食事が大切な理由】
肝臓がんや治療の影響で肝臓の働きが落ちると、体力が低下しやすく、栄養バランスも崩れがちになります。そこで、肝臓に負担をかけずに効率よく栄養をとることが重要です。ポイントは次の通りです。
- 肝臓の負担を減らす
脂肪や塩分、アルコールを控え、消化にやさしい食材や調理法を意識する - 体力を支える栄養補給
糖質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂る - 少量・回数を分けて食べる
一度にたくさん食べず、回数を分けることで肝臓の処理能力に合わせる
こうした工夫を取り入れることで、肝臓に負担をかけず、毎日の食事で少しずつ体力や回復力を支えることができます。
治療中・手術後に起こりやすい体調の変化|食欲低下・むくみ・だるさに注意
肝臓は、タンパク質や脂質、糖質の代謝や貯蔵、老廃物の解毒を担う臓器です。そのため、肝臓がんや治療の影響で肝機能が低下すると、体に必要な栄養の供給や老廃物の処理がスムーズに行えなくなり、さまざまな体調の変化が起こりやすくなります。
1.食欲低下や栄養不足が起こりやすくなる
肝臓の代謝能力が落ちることで、タンパク質やエネルギー、ビタミン・ミネラルの吸収や利用が低下します。その結果、疲れやすさや筋力低下、免疫力の低下につながることがあります。
2.むくみやだるさが出やすくなる
肝臓の機能が低下すると、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、むくみや体のだるさを感じやすくなります。
3.体調に波が出やすくなる
肝臓の状態や治療の影響によって、体調が良い日とそうでない日が交互に訪れることがあります。無理に食べようとせず、体調に合わせて食事量や内容を調整することが大切です。
積極的に取ったほうがよい食品|肝臓をサポートする栄養の工夫

積極的に取ったほうがよい食品|肝臓をサポートする栄養の工夫
肝臓がんの治療中や術後は、肝臓の代謝や解毒の働きが弱まり、栄養を効率よく体に取り入れることが難しくなることがあります。それでも、体力を維持し、回復をサポートするためには、肝臓に負担をかけずに必要な栄養を補う工夫が大切です。
ここでは、無理なく取り入れやすい食品の考え方を整理します。
- 良質タンパク質で肝臓の代謝をサポート(白身魚・鶏ささみ・卵・豆腐など)
- 肝臓の代謝を助けるビタミン・ミネラル(野菜・きのこ・海藻など)
- エネルギー補給に役立つ主食・良質脂質(ごはん・パンなど)
- 水分と電解質も意識する(むくみやだるさ対策)
- 積極的にとった方がよい食品まとめ
順に見ていきましょう。
良質タンパク質で肝臓の代謝をサポート(白身魚・鶏ささみ・卵・豆腐など)
肝臓がんや治療の影響で働きが低下すると、栄養の処理や体力維持が難しくなります。良質なタンパク質は、肝臓の代謝機能をサポートし、体に必要な栄養を効率よく届けるために欠かせません。
1.肝臓への負担が少ない食品
・白身魚・鶏ささみ:脂肪が少なく、肝臓での処理負担が少ない
・卵:アミノ酸バランスが良く、肝臓での代謝を助ける
・豆腐・大豆製品:植物性タンパク質で脂質が少なく、肝臓にやさしい
・低脂肪乳製品(ヨーグルトなど):タンパク質と水分を同時に補給できる
2.タンパク質が必要な理由
・肝臓での栄養代謝や解毒に必要な酵素やタンパク質の材料になる
・栄養のバランスを保ち、体力や免疫力の低下を防ぐ
・治療中でも肝臓に過剰な負担をかけずに、必要な栄養を補給できる
肝臓の代謝を助けるビタミン・ミネラル(野菜・きのこ・海藻など)
肝臓は栄養の代謝や解毒の過程で活性酸素が発生しやすく、細胞に負担がかかります。抗酸化作用のあるビタミンや、酵素の働きを助けるミネラルをしっかりとることで、肝臓の働きをサポートできます。
- 肝臓の代謝を助ける食品
・野菜(にんじん・ブロッコリー・ピーマンなど):抗酸化ビタミンや食物繊維が豊富
・きのこ(しいたけ・まいたけなど):免疫や代謝をサポート
・海藻(わかめ・ひじきなど):ミネラルが豊富で肝臓の酵素活性を助ける
・果物(みかん・キウイなど):ビタミンCなどの抗酸化成分を補給
- ビタミン・ミネラルが必要な理由
・活性酸素から肝臓の細胞を守る
・代謝の酵素をサポートし、栄養を効率よくエネルギーに変える
・栄養バランスを整えることで、肝臓への負担を減らす
エネルギー補給に役立つ主食・良質脂質(ごはん・パンなど)
肝臓は栄養の代謝や解毒を担っており、肝臓がんや治療の影響で働きが落ちると体力が低下しやすくなります。効率よくエネルギーを補給することが、肝臓への負担を増やさず体力や回復力を支えるポイントです。
1.肝臓に負担が少ない食品
・主食(ごはん・うどん・パンなど):体の主要なエネルギー源
・良質脂質(オリーブオイル・アマニ油など):肝臓での処理が比較的負担になりにくい
・乳製品(低脂肪牛乳・ヨーグルトなど):糖質・脂質・タンパク質をバランスよく補給
2.エネルギー補給の目的
・体力を維持し、治療や日常生活を支える
・肝臓の負担を抑えつつ栄養を効率的に補う
・回復力を支え、疲れやすさを防ぐ
水分と電解質も意識する(むくみやだるさ対策)
肝臓がんでは、肝臓の働き低下で体内の水分や塩分のバランスが崩れやすく、むくみやだるさが出ることがあります。食事や水分の工夫で体への負担を減らせます。
1.水分・電解質を整える工夫
・水分:こまめに水やお茶を摂る
・塩分:むくみや腹水がある場合は控えめに
・カリウム:利尿剤使用中は果物や野菜の量に注意
2.意識する理由
・塩分と水分を調整することでむくみを防ぐ
・だるさや体調不良を減らす
・治療や日常生活を続けやすくする
3.ポイント
むくみやだるさがあるときは、医師や管理栄養士の指導に従いながら水分・塩分を調整することが大切です。
積極的にとった方がよい食品まとめ
肝臓がんでは、肝臓の栄養代謝や解毒機能が低下しやすく、体力や免疫力の維持のために、栄養を効率よくとることが大切です。ここでは、肝臓への負担を抑えながら、毎日の食事で取り入れやすい食品の例とポイントを整理しました。
| 栄養 | 食品例 | 肝臓がんでのポイント |
| エネルギー | やわらかいごはん、うどん、食パン、じゃがいも、オリーブオイルなど植物油 | 消化しやすく、脂肪は良質なものを選び、肝臓への負担を減らす |
| たんぱく質 | 白身魚、鶏ささみ、卵、豆腐、低脂肪乳製品(ヨーグルトなど) | 脂肪が少なく、肝臓の代謝を助ける。体力維持や治療中の栄養補給に必要 |
| ビタミン・ミネラル | 野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)、きのこ、海藻、果物(りんご、バナナなど) | 抗酸化作用や脂肪代謝を助け、肝臓の細胞を守る。消化しやすい調理を心がける |
| 水分・電解質 | 水、麦茶、スープ、果汁100%ジュース、野菜スープ | 肝臓での水分・塩分調整をサポートし、むくみやだるさの軽減に役立つ。こまめに少量ずつ |
控えたほうがよい食品|肝臓に負担をかけやすいもの

控えたほうがよい食品|肝臓に負担をかけやすいもの
肝臓がんでは、肝臓の代謝や解毒機能が低下していることがあり、糖質や脂質、アルコールなど肝臓への負担が大きい食品を摂ると、体調に影響が出やすくなります。肝臓の負担を抑え、体力の低下やだるさをできるだけ防ぐためには、控えたほうがよい食品を知っておくことが大切です。
ここでは、肝臓がん患者さんが注意したい食品の種類を整理します。
- 糖質・脂質の多い食品(菓子パン・ジュース・揚げ物・ラーメンなど)
- アルコール・刺激になる食品(お酒・香辛料・高塩分食品など)
- 肝臓に負担をかけやすい食品まとめ
一つずつ、なぜ控えたほうがよいのかを見ていきましょう。
糖質・脂質の多い食品(菓子パン・ジュース・揚げ物・ラーメンなど)
糖質や脂質を多く含む食品は、肝臓への負担につながる可能性があります。肝臓病の食事療法では、脂肪・糖質の過剰摂取を避け、エネルギー摂取量を適正に保つことが基本です。肝臓での脂肪蓄積や代謝異常の進行を抑えるためにも、こうした食品の量や頻度を工夫することが重要です。
1.肝臓への負担が大きくなりやすい食品
・菓子パン・スイーツ・清涼飲料水(ジュースなど):糖質が多く、過剰に摂取すると余分なエネルギーが中性脂肪として肝臓に蓄積されやすくなる。
・揚げ物・ラーメンなど脂質の多い食品:高脂質食は肝臓で処理しきれない脂質が増え、代謝の負担が増大する。
・精製された炭水化物(白いパン、精製米など):血糖値を急激に上昇させ、肝臓での脂質合成を促すこととなる。
2.なぜ控えるべきか(肝臓への影響)
・肝臓での脂肪蓄積のリスク増加:糖質や脂質の過剰は、中性脂肪として肝臓に蓄積され、脂肪肝や肝機能低下を招く可能性がある。
・カロリー過多による体重増加:過剰なエネルギー摂取は生活習慣病や肝臓病(脂肪肝)の進行リスクを高める。
・血糖値の急上昇:精製された糖質の摂取は、肝臓での処理負担や脂肪合成を増大させることとなる。
3.ポイント
肝臓がん・肝臓病患者では、糖質や脂質の多い食品は控え、主食・主菜・副菜のバランスを意識して摂取することが肝臓への負担軽減につながります。
アルコール・刺激になる食品(アルコール・香辛料・高塩分食品など)
アルコールや刺激の強い食品、高塩分食品は、肝臓への負担が大きくなるため注意が必要です。肝臓はアルコールや有害物質を分解する重要な働きを担っており、過剰な摂取は肝障害のリスクを高めます。
1.肝臓への負担が大きくなりやすい食品
・アルコール(ビール・日本酒・焼酎・ワインなど):肝臓での分解が必要であり、過度の摂取は肝細胞の障害やアルコール性肝疾患を引き起こす。
・香辛料(唐辛子・わさびなど):消化器への刺激が強く、肝臓の代謝負担を間接的に高める場合がある。
・高塩分食品(漬物・インスタント食品・加工肉など):塩分の過剰摂取は水分保持を促し、むくみや血圧上昇につながる。
2.なぜ控えるべきか(肝臓への影響)
・肝細胞への直接的負担:アルコールは肝臓で分解される過程で、肝細胞を傷つけることがある。
・脂肪肝・肝障害のリスク増加:糖質・アルコール・高脂質の組み合わせは、肝臓での脂肪蓄積や炎症を促進する。
・全身への影響:塩分・刺激物の過剰摂取は、むくみや血圧上昇、だるさなど体調不良を招く。
3.まとめ
肝臓がんでは、アルコールや香辛料、高塩分食品の摂取は控え、肝臓に負担をかけない食生活を意識することが重要です。
肝臓に負担をかけやすい食品まとめ
肝臓への負担を避けるためには、アルコールや糖質・脂質の多い食品、刺激や塩分の強い食品の摂取を控えることが大切です。ここでは、具体的に注意すべき食品とその理由を整理します。
| 食品カテゴリ | 食品例 | 肝臓への影響・控える理由 |
| 糖質・脂質が多い食品 | 菓子パン、ジュース、揚げ物、ラーメン | 高脂質・高糖質は肝臓での脂肪合成や中性脂肪蓄積を増やし、脂肪肝や肝障害のリスクを高める |
| アルコール | ビール、日本酒、焼酎、ワイン | 肝臓で分解される過程で肝細胞に負担をかけ、アルコール性肝障害を引き起こす |
| 刺激物・高塩分食品 | 香辛料(唐辛子・わさび)、漬物、加工肉、インスタント食品 | 消化器や代謝に刺激を与え、塩分過多はむくみや血圧上昇を招き、肝臓の代謝負担を増す |
| 加糖飲料 | 甘いコーヒー、清涼飲料水 | 糖質過剰により肝臓での脂質合成や中性脂肪蓄積の負担を増やす |
毎日の食事を続けやすくする工夫

毎日の食事を続けやすくする工夫
肝臓がんの治療中や手術後は、肝臓の働きが落ちやすく、疲れやだるさ、むくみなどで食欲が低下したり、食べられる量が不安定になったりすることがあります。体力や栄養を維持するためには、量だけでなく「肝臓に負担をかけずに無理なく食べられる方法」を意識することが大切です。
ここでは、毎日の食事を少しでもラクに続けるための工夫として、次のポイントに沿って紹介します。
- 食欲がない日や食べにくいときの工夫|少量・回数を分けて無理なく補給
- 外食・コンビニ利用時の選び方|肝臓負担を減らすポイント
- 夜間の分割食(LES:Late Evening Snack)|肝機能低下時のエネルギー補給
順に見ていきましょう。
食欲がない日や食べにくいときの工夫|少量・回数を分けて無理なく補給
肝臓がんや肝機能低下があると、食欲が落ちたり、むくみやだるさで思うように食事が進まないことがあります。無理に量を増やすのではなく、少量ずつ回数を分けて食べることが大切です。
1.肝臓への負担を減らす調理のポイント
・柔らかく煮る・蒸す・刻む:肝臓での栄養代謝や解毒の負担を抑える
・脂肪の少ない食材を選ぶ:白身魚や鶏ささみ、豆腐など、肝臓にやさしいタンパク質
・消化しやすい形にする:滑らかにすりつぶす・小さく切ることで、肝臓が効率よく栄養を処理できる
2.ポイントまとめ
・食事は一度に多く摂ろうとせず、回数を分けて少しずつ
・肝臓に負担をかけない調理法と食材選びを意識する
こうした工夫を取り入れることで、肝臓への負担を最小限にしながら、必要な栄養を無理なく補うことができます。
外食・コンビニ利用時の選び方|肝臓負担を減らすポイント
肝臓がんの治療中や術後は、肝臓の代謝機能が低下しやすいため、脂質や塩分を控えつつ、エネルギーとタンパク質を補える食品を選ぶことが大切です。外食やコンビニでも、組み合わせを意識することで肝臓への負担を抑えられます。
選びやすい食品例
・主食:おにぎり(鮭・梅・昆布)、白ごはん、うどん、食パン
→ エネルギー補給になり、肝臓の代謝を支える
・タンパク質源:サラダチキン、ゆで卵、冷ややっこ、焼き魚、納豆、ヨーグルト
→ 肝臓の代謝や回復に必要なタンパク質を補える
・副菜:サラダ、温野菜、ひじき煮、煮物
→ ビタミン・ミネラルを補い、肝臓の働きを助ける
・飲み物:水、麦茶、無糖のお茶、牛乳
→ 水分と栄養を無理なく補える
控えめにしたい食品
・揚げ物、菓子パン、甘い飲料
・カップ麺や加工食品など塩分の多い食品
・アルコール
外食やコンビニでは、「主食+タンパク質+副菜」を意識して選ぶことが、肝臓への負担を減らしながら栄養を補うポイントです。
夜間の分割食(LES:Late Evening Snack)|肝機能低下時のエネルギー補給
肝臓がんでは、肝機能の低下や肝切除の影響により、肝臓にエネルギーを蓄える力が弱くなることがあります。そのため、夜間の絶食時間が長いと筋肉が分解されやすくなり、体力の低下につながることがあります。
夜間の分割食(LES:Late Evening Snack)は、就寝前に少量の炭水化物やタンパク質を補うことで、夜間のエネルギー不足を防ぐ方法です。
- LESが有効な場合
・肝機能が低下している場合
・肝切除後で、栄養の貯蔵力が低下している場合
・食事量が少なく、体重減少や筋力低下がみられる場合
- 食品例
・おにぎり、食パン、クラッカーなど
・ヨーグルト、牛乳、豆腐など
・バナナなどの果物
- LESの目的
・夜間のエネルギー不足を防ぐため
・筋肉の分解を抑え、体力低下を防ぐため
・肝機能の維持と栄養状態の改善につなげるため
肝機能が低下している場合、LESを取り入れることで、体力や栄養状態の維持に役立つことがあります。
まとめ|肝臓への負担を減らしながら体力を支える食事

まとめ|肝臓への負担を減らしながら体力を支える食事
肝臓がんの治療中や治療後は、肝臓の働きが弱くなることで、食欲が落ちたり、体力が低下しやすくなったりすることがあります。これまでと同じように食べられないことに、不安や戸惑いを感じる方も少なくありません。
それでも、少量でも食事をとることは、体力や肝機能を支える大切な一歩です。肝臓への負担を減らすためには、1回の量を無理に増やさず、回数を分けて栄養を補うことが基本になります。白身魚や豆腐などの良質なたんぱく質、エネルギー源となるごはんやパン、ビタミン・ミネラルを含む野菜などを、体調に合わせて無理のない範囲で取り入れていきましょう。
また、肝機能が低下している場合は、夜間のエネルギー不足を防ぐために、就寝前に軽く栄養を補う「夜間の分割食(LES)」が役立つこともあります。体重減少や疲れやすさが気になる場合も、「食べられるタイミングで、食べられる形で補うこと」が、体力の維持につながります。
食事の内容や量は、肝機能の状態や治療内容によって異なります。一人で悩まず、医師や管理栄養士に相談しながら調整していくことで、自分に合った無理のない食事方法が見えてきます。焦らず、比べず、できることを少しずつ積み重ねていくことが、これからの体調管理を支える大切な土台になります。
※本記事は医療専門ライターによる寄稿であり、診療行為・医師の個別見解を示すものではありません。治療・食事に関するご不安は、必ず主治医・管理栄養士にご相談ください。
